『典座-TENZO-』&空族ミニ特集

典座-TENZO-

2019年/日本/62分
◎監督・脚本:富田克也◎脚本:相澤虎之助◎撮影・照明:スタジオ石◎録音・整音:山﨑巌◎音楽:右左口竹の会、Suri Yamuhi And The Babylon Band、NORIKIYO◎出演:河口智賢、近藤真弘、倉島隆行、青山俊董


公式HP→https://sousei.gr.jp/tenzo/

現代の青年僧侶による、禅を世界へ、そして未来へつなぐ渾身の物語

曹洞宗の教えを日本に伝えた道元禅師(1200〜1253年)は24歳の時、権威的になった日本仏教に疑問を持ち、正伝の仏法を求めて遥か中国へと渡りました。迷いながら、失敗もしながら老典座に導かれるように天童寺へ向かわれます。そこで生涯の師となる如浄禅師と出逢い、坐禅により悟りを開いたと伝わります。それから約800年が過ぎ、現代は飽食の時代。利便性と合理化を求めた果てに、我々は何を手に入れ、何を失ったのか。本作は仏道を求める若い僧侶の葛藤や求道、その迷いの闇に射す典座の教えを描きます。
 全国曹洞宗青年会は、自死、貧困、孤独死、自然災害、そして原発問題などと正面から向き合い、この映画を通して現代に求められる仏教のあり方を参究します。『第72回カンヌ国際映画祭』国際批評家週間「特別招待部門」に正式出品された。

 

 

空族ミニ特集

8月に開催し、大好評だった空族特集を『典座-TENZO-』公開を記念して再び!
そして『バンコクナイツ』の製作にあたって目指したという、天才映画監督、山中貞雄の『河内山宗俊』を特別上映!いま、時を超えて

サウダーヂ

2011年/日本/35㎜/167分
監督・脚本:富田克也/脚本:相澤虎之助/撮影:高野貴子/録音・音響効果:山﨑巌/助監督:河上健太郎/編集:富田克也、高野貴子/スチール:廣瀬育子
出演:鷹野毅、伊藤仁、田我流、ディーチャイ・パウイーナ、尾崎愛、工藤千枝、野口雄介、中島朋人、亜矢乃、川瀬陽太、宮台真司

『土方、移民、HIPHOP 『この街で一体何が起きている?!』
不況と空洞化が叫ばれて久しい地方都市。“中心”街。シャッター通り、ゴーストタウン。それがアジアNO1の経済大国と呼ばれた日本の地方都市の現状である。しかし街から人がいなくなったわけではない。崩壊寸前の土木建築業、日系ブラジル人、タイ人をはじめとするアジア人、移民労働者たち。そこには過酷な状況のもとで懸命に生きている剥き出しの“生”の姿があった。
街そのものをテーマに、実際にそこで生活している人々をキャスティングしてつくられたこの作品には、これまで日本映画ではあまり描かれる事の無かった移民たちの姿が描かれている。

 

 

バンコクナイツ

2016年/日本・フランス・タイ・ラオス/DCP/182分
監督・脚本:富田克也/脚本:相澤虎之助/撮影・照明:スタジオ石 (向山正洋、古 屋卓麿) /録音:山﨑巌、YOUNG-G DJs:SOI48、YOUNG-G/助監督:河上健太郎
/出演:スベンジャ・ポンコン、スナン・プーウィセット、チュティパー・ポンピアン、タンヤラ ット・コンプー、サリンヤー・ヨンサワット、伊藤仁、川瀬陽太

バンコクにある日本人専門の歓楽街タニヤ通り。タイの東北地方イサーンから出稼ぎに来て5年になるラックは、現在は人気店「人魚」のトップにのぼりつめ、ヒモの日本人男性ピンを連れ回し贅沢な生活を送る一方で、故郷の家族に仕送りをしていた。ある晩、ラックはかつての恋人である元自衛隊員オザワと5年ぶりに再会する。ラックとオザワはそれぞれの思いを胸に秘めながらバンコクを離れ、ラオスとの国境にあるラックの故郷へ向かう。バンコクの歓楽街で働くタイ人娼婦と日本人の男たちが織り成す、失われた楽園を取り戻すための旅を描いたロードムービー。

 

 

映画 潜行一千里

2017年/日本/DCP/120分
監督:向山正洋/撮影:スタジオ石(向山 正洋、古屋卓麿)/音楽:DJ KENSEI/整音:山﨑巌/出演:スベンジャ・ポンコン、富田 克也、相澤虎之助、川瀬陽太ほか
©Yamaguchi Center for Arts and Media [YCAM]

構想10年、タイ・ラオスオールロケ!東南アジアを縦横無尽に駆け抜けた
映画『バンコクナイツ』のドキュメンタリー!
タイ・ラオスを縦断した一千里、約4000キロのオールロケ。それはタイの首都バンコクの日本人専門の歓楽街タニヤ通りから東北部イサーン地方、雄大なるメコン川のほとりの国境の街ノンカーイまで、さらには国を越えてラ オスの秘境までに至る空族撮影隊が辿った果てなき旅路でもあった。旅を続 けながら映画を撮り、次第に映画そのものが旅となってゆく。回り続けるキャメラは必然的に東南アジアの戦争の歴史を浮き彫りにし、そこで生きる 人々の抵抗の輝きを映し出す。現地の人々が役者として出演し、さらにはスタッフとして一緒に仲間になって一本の映画を生み出していく、空族の制作スタイルを垣間見ることができる。
監督はヒップホップクルー「stillichimiya」の映像ユニット“スタジオ石”の向山正洋。向山は“スタジオ石”として『バンコクナイツ』の撮影を進める傍ら、自らカメラを回し空族の撮影風景の裏側を記録に収めた。総時間にして100時間を越える膨大なデータを基に構成された本作品は、映像集団“空族”についての本邦初のドキュメンタリーでもある。

 

 

国道20号線

2007年/日本/16mm→デジタル/77分
監督・共同脚本:富田克也/撮影・共同脚本:相沢虎之助/撮影:高野貴子/録音:石原寛郎/美術・小道具・スクリプト:川口明子/サウンドミキシング :山崎巌/スチール:堀田真由子
出演:伊藤仁、りみ、鷹野毅、村田進二、西村正秀、田中哲也、平沢絵里子、渡邊利己、藤沢一雅、久保田正仁、久保田公男、松本茂、中込明彦、寿徳、近藤寛、古屋暁美、中盾純、池田記代子、山下雄也

かつて暴走族だった主人公ヒサシは、同棲するジュンコとパチンコ通いの毎日。シンナーもやめられないていたらくで借金だけが嵩んでゆく。そんなヒサシに族時代からの友人で闇金屋の小澤が話を持ちかける。「なぁヒサシ、シンナーなんかやめて俺と一緒に飛ばねえか?」地方都市を走る国道。両脇を埋めるカラオケBOX、パチンコ店、消費者金融のATM、ドンキ・・・。現代の日本、とりわけ地方のありきたりの風景。ヒサシは夜の国道の灯が届かないその先に闇を見つけてしまった。宇宙のようにからっぽで、涯てのない闇のなかで繰り返されるありふれた事件、そしてかつて見たシンナーの幻覚の残像がヒサシを手招きする。
「ほんで俺も行ってもいいの?ホント?ホントに?」

 

 

河内山宗俊

1936年/日本/82分
◎監督・原作:山中貞雄◎脚本:三村伸太郎◎撮影:町井春美◎音楽:西梧郎◎出演:河原崎長十郎、原節子、中村翫右衛門、市川扇升、河原崎しづ江

居酒屋に居候する河内山宗俊と、用心棒の金子市之丞。その日暮らしの生活を送る彼らにとって、甘酒屋の娘・お浪は心の慰めだった。ある日、お浪が不良の弟・広太郎の借金のために身売りすることを知った宗俊と市之丞は、彼女を救うべく手を組むが…。当時15歳の原節子がヒロインのお浪役を可憐に演じる。多くの作品の原版が失われてしまった山中監督作の中で、現存するわずか3作品のうちのひとつ。夭折の名匠・山中貞雄が、美しい少女を救おうとする男たちの奮闘を描いた時代劇。。

 

 

〈上映スケジュール〉

シネ・ヌーヴォ
11/16(土) 18:00『典座-TENZO-』 19:40 サウダーヂ
11/17(日) 18:00『典座-TENZO-』 19:25 バンコクナイツ
11/18(月) 20:50『典座-TENZO-』                        
11/19(火) 18:00『典座-TENZO-』 19:25 サウダーヂ
11/20(水) 19:20『典座-TENZO-』 20:40 映画 潜行一千里
11/21(木) 18:00『典座-TENZO-』 19:25 バンコクナイツ
11/22(金) 19:55『典座-TENZO-』 21:15 国道20号線

11/23(土)〜11/29(金) 20:10『典座-TENZO-』


シネ・ヌーヴォX
11/23(土)〜11/29(金) 18:30『河内山宗俊』

11/30(土)〜12/6(金) 13:30『典座-TENZO-』

12/7(土)〜12/13(金) 11:00『典座-TENZO-』

〈鑑賞料金〉

一般1500円、学生・シニア1100円、会員1000円