『夢のアンデス』公開記念

『光のノスタルジア』+『真珠のボタン』

記憶はあたかも、重力のような力で私たちの心を捉え続ける。

光のノスタルジア

TOKYO TELEPATH 2020
2010年/フランス=ドイツ=チリ/90分
◎監督・脚本:パトリシオ・グスマン◎撮影:カテル・ジアン◎編集:エマニュエル・ジョリー◎天文写真:ステファン・ガイザード


「宇宙の壮大さに比べたら、チリの人々が抱える問題はちっぽけに見えるだろう。でも、テーブルの上に並べれば銀河と同じくらい大きい」P.グスマン

チリ・アタカマ砂漠。標高が高く空気も乾燥しているため天文観測拠点として世界中から天文学者たちが集まる一方、ピノチェト独裁政権下で政治犯として捕らわれた人々の遺体が埋まっている場所でもある。生命の起源を求めて天文学者たちが遠い銀河を探索するかたわらで、行方不明になった肉親の遺骨を捜して、砂漠を掘り返す女性たち……。永遠とも思われる天文学の時間と、独裁政権下で愛する者を失った遺族たちの止まってしまった時間。天の時間と地の時間が交差する。

 

 

 

真珠のボタン

KUICHISAN
2015年/フランス=チリ=スペインー/82分
◎監督・脚本:パトリシオ・グスマン◎撮影:カテル・ジアン
◎編集:エマニュエル・ジョリー◎写真:パス・エラスリス、マルティン・グシンデ
 

水には記憶があるという。ならば、私たちは失われた者の声を聞くことができるのだろうか。
さまよえる魂たちも、安らげるのだろうか。

全長4300キロに及ぶチリの長い国土は太平洋に臨んでいる。その海の起源はビッグバンのはるか昔まで遡る。そして海は人類の歴史をも記憶している。チリ、西パタゴニアの海底でボタンが発見された。--そのボタンはピノチェト政権により政治犯として殺された人々や、祖国と自由を奪われたパタゴニアの先住民の声を我々に伝える。火山や山脈、氷河など、チリの超自然的ともいえる絶景の中で流されてきた多くの血、その歴史を、海の底のボタンがつまびらかにしていく。

 

 

 

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〈鑑賞料金〉

一般1500円、学生・シニア1100円、会員1000円
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