けものがいる

2023年/フランス・カナダ/146分
◎監督:ベルトラン・ボネロ◎製作:ジュスタン・トーラン、ベルトラン・ボネロ◎共同製作:ナンシー・グラン、グザビエ・ドラン◎原作:ヘンリー・ジェームズ◎脚本:ベルトラン・ボネロ、バンジャマン・シャルビ、ギョーム・ブレオー◎撮影:ジョゼ・デエー◎美術:カティア・ビシュコフ ◎編集:アニータ・ロス◎音楽:ベルトラン・ボネロ、アンナ・ボネロガブリエル
◎出演:レア・セドゥ、ジョージ・マッケイ、ガスラジー・マランダ、ダーシャ・ネクラソワ、マルタン・スカリ、エリナ・レーベンソン、マルタ・ホスキンス、ジュリア・フォール、ケスター・ラブレイス、フェリシアン・ピノ、ローラン・ラコット、グザビエ・ドラン

公式HP→https://kemonogairu.com/

 

AIが国家の社会システム全般を管理し、人間の感情が不要と見なされている2044年のパリ。孤独な女性ガブリエル(レア・セドゥ)は有意義な職に就きたいと望んでいるが、それを叶えるにはDNAの浄化によって〈感情の消去〉をするセッションを受けなくてはならない。
人間らしい感情を失うことに恐れを感じながらも、AIの指導に従って1910年と2014年の前世へとさかのぼったガブリエルは、それぞれの時代でルイ(ジョージ・マッケイ)という青年と出会い、激しく惹かれ合っていく。しかしこの時空を超越したセッションは、ガブリエルの潜在意識に植えつけられたトラウマの恐怖と向き合う旅でもあった。はたして、3つの時代で転生を繰り返すガブリエルとルイの愛は成就するのか。そして過酷な宿命を背負ったガブリエルが、最後に突きあたる衝撃的な真実とは……。

『哀れなるものたち』を始め、世界中から選りすぐりの話題作が集結した第80回ヴェネチア国際映画祭公式批評スコアで一位を獲得し絶賛された、鬼才ベルトラン・ボネロ監督の最新作。主演は、世界の名監督の作品や『デューン 砂の惑星PART2』などのハリウッド大作でも活躍するレア・セドゥ、『1917 命をかけた伝令』の実力派ジョージ・マッケイ。共同プロデューサーには『マティアス&マキシム』の監督グザヴィエ・ドランが名を連ね、面接官の声の役で出演。
イギリスの文豪ヘンリー・ジェームズの傑作中編小説「密林の獣」を自由かつ大胆に翻案したこの作品は、2044年の近未来を起点に、100年以上の時を超えて転生を繰り返す男女の物語。3つの時代を生きる主人公のガブリエルは、彼女自身も説明できない忌まわしい強迫観念に取り憑かれている。それは、いつか取り返しのつかない惨事が起こり、彼女とその周りに破滅的な終局がもたらされるという不吉な予感。ガブリエルが前世で被った想像を絶するトラウマとは何なのか。いくつものミステリーが渦巻く物語は、絶え間なく観る者の好奇心をかき立てる。

AIに管理された近未来をスタイリッシュなディストピアSFとして映像化した2044年、35ミリフィルムで撮影された華麗なコスチューム・プレイが繰り広げられる1910年、ガラス張りの豪邸を舞台にしたスリラー劇から目が離せない2014年。3つの時代を行き来する壮大な映像世界は、愛と恐怖の狭間で引き裂かれていく主人公たちのあまりにも数奇な運命を映し出す。驚くべきスリルとロマンに満ちあふれ、人間が生きることの意味とは何かという深遠なテーマにも触れた本作は、あらゆる観客の感性を刺激し、胸を締めつけてやまない。

 

 


〈上映スケジュール〉

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シネ・ヌーヴォXにて上映
6/21土〜6/27 16:20
6/28土〜7/4 12:50


 

〈鑑賞料金〉

一般1800円、シニア1300円、会員・学生1200円、高校生以下・ハンディキャップ1000円
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