ヤン・シュヴァンクマイエル、「最後の長編劇映画」宣言 |
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1988年の『アリス』以来、『ファウスト』『悦楽共犯者』『オテサーネク』『ルナシー』『サヴァイヴィング ライフ』と、これまで6本の長編を発表してきたチェコのシュルレアリストにして、アニメーション&映画作家ヤン・シュヴァンクマイエル(現在90歳!)が、「最後の長編劇映画」と宣言して2018年に完成させた『蟲(むし)』、ついに一般公開! 加えて、作家のこれまでの人生、先立った妻エヴァとの思い出を振り返るドキュメンタリー『錬金炉アタノール』(2020/ヤン・ダニヘル、アダム・オリハ監督)、さらにシュヴァンクマイエルが世界中から集めた奇怪なコレクションを約2時間、ひたすら見せ続ける驚愕の映画『クンストカメラ』(2022)も同時公開!
公式HP→https://www.zaziefilms.com/insect/
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蟲 |
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2018/チェコ・スロバキア/98分◎監督:ヤン・シュヴァンクマイエル |
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クセ者揃いのアマチュア劇団 |
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シュヴァンクマイエルのシュルレアリストとしてのアプローチが極まった集大成的な一作! チャペック兄弟の有名な戯曲『虫の生活』の第二幕「捕食生物たち」に取り組む、小さな町のアマチュア劇団。遅刻や欠席するメンバーたちのやる気の無さに、コオロギ役兼任の演出家は怒りが収まらない。不穏な空気でリハーサルが進むなか、やがて劇の展開と役者たちの行動が交錯し、ついに舞台に惨劇が訪れる! 演劇の中の物語、それを演じる役者たちの素の姿、そして『蟲』のメイキングも同時進行で提示される斬新な3層のメタ構造。そして例によってアニメーション技法も使われ、また本物の虫たちが目を覆いたくなるほど登場! 製作時には資金を補うためのクラウドファンディングが行われ、シュヴァンクマイエルを師と仰ぐクエイ兄弟やギレルモ・デル・トロも大々的に協力、注意日本のファンも含め世界中から多くの出資が得られて完成した「最後の長編劇映画」。
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錬金炉アタノール |
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2020/スロバキア・チェコ/123分
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老境に達したシュヴァンクマイエルの現在と過去を捉えたドキュメンタリー |
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創作上のパートナーでもあった亡き妻エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーの想い出、長年、製作を支えてきたプロデューサー、ヤロミール・カリスタとの愛憎入り交じる関係、参加しているシュルレアリスト集団の定例会、怪しげな呪物や作品の制作風景、展覧会の準備や講演、そしてスーパーで買物をする日常の姿など、あらゆる側面が赤裸々に映し出される。彼の全貌を把握する「入門編」とも言える1本
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クンストカメラ |
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2022/チェコ/120分◎監督:ヤン・シュヴァンクマイエ |
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世界中から集めたカメラや自身のオブジェが映し出される記録映画 |
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チェコの南西部ホルニー・スタニコフにあるお城と旧穀物庫。2時間、世界中から集めた絵画や彫像、動物の剥製や貝殻、自身や妻の作ったオブジェなど、一般の価値基準とは無縁の不思議なコレクションがヴィヴァルディの「四季」に乗って、ナレーションもなしに延々と映し出される。シンプルに撮影されたもののように見えて、編集、床やドアの軋む効果音にシュヴァンクマイエル臭が強烈に香る一作。
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【ヤン・シュヴァンクマイエル、「最後の長編劇映画」宣言】公開記念 |
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アリス |
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1988年/84分 |
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シュヴァンクマイエル初の長篇作品。ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」を下敷きに、実写とコマ撮りを組み合わせて3年の歳月をかけて作り上げた。 |
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ファウスト |
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1994年/97分 |
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長編第2作。ファウスト伝説をもとに、アニメと実写を融合させる。奇妙な地図に導かれて古びた館にやってきた男。館の地下には劇場があり、錬金術の実験室につながっていた。 |
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オテサーネク |
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2000年/132分
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長篇第4作。チェコの有名な民話「オテサーネク(食人木)」を題材に、『アリス』や『地下室の怪』のように少女の視点から描く。 |
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サヴァイヴィング ライフ━夢は第二の人生━ |
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2010年/108分/R18+ |
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長篇第6作。うだつのあがらない中年男エフジェンの楽しみは寝ることくらい。夢の中で出会ったエフジェニエという若く美しい女性が忘れられず…。 |
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〈上映スケジュール〉
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