ザ・ゴールドディガーズ+ナイトシフト

製作から40年余りの時を超えて、スクリーンに映し出される『ザ・ゴールドディガーズ』と『ナイトシフト』。時代の転換期に登場したオルタナティヴでエッジィな挑戦は、今、どのように受け止められるのか。

 

公式HP→https://www.punkte00.com/goldnight-london/

 

 

ザ・ゴールドディガーズ

1983年/イギリス/89分/原題:The Gold Diggers
◎監督・脚本・編集・振付:サリー・ポッター◎脚本:リンジー・クーパー、ローズ・イングリッシュ◎撮影:バベット・マンゴルト ◎音楽:リンジー・クーパー◎美術:ローズ・イングリッシュ
◎出演:ジュリー・クリスティ、コレット・ラフォン、ヒラリー・ウェストレイク、デヴィッド・ゲイル、ジャッキー・ランズリー、ロル・コックスヒルほか

わたしは何者?

「オルランド」「タンゴ・レッスン」などで知られるイギリスを代表する映画監督の一人、サリー・ポッターの長編デビュー作。1980年代初頭のロンドンを舞台に、スター女優と銀行員の女性の姿を通して「女性と労働」を独創的なアプローチで描いた作品で、近年ではフェミニズム映画の金字塔として評価が高まっている。

 

ロンドン中心部「シティ」の銀行でデータ入力係として働く黒人のフランス人女性セレステ(コレット・ラフォン)。「数字を移動するだけ」の労働の空虚さに疑念を抱き、やがて「金」と「権力」の関係に強い関心を抱くようになる。一方、「スター女優」のルビー(ジュリー・クリスティ)は、自らの幼少期の記憶と覆い隠された自分自身の歴史を辿り、「偶像」としての自分を客観的に見つめ直す。迫りくる非人格的で官僚主義的な男たちと、規制と規則によって張り詰めた不条理な空間。二人は出会い、言葉を交わし、やがて予感する。男性の経済的覇権争いと「神秘的でいて無力で美しい」という理想的な女性像とのあいだに、何らかの結びつきがあるのではないかと感じ始める。

 

脚本は、ポッターと二人の盟友によって書かれた。前衛的なロックグループ「ヘンリー・カウ」などで活動した音楽家のリンジー・クーパー、そしてパフォーマンス・アートの先駆者であるローズ・イングリッシュ。クーパーは音楽も担当しており、技巧を凝らした美しい旋律を奏でるスコアを提供。一方、イングリッシュは美術と衣装を担い、本作のユニークな世界観を支えている。
撮影監督は、シャンタル・アケルマン監督『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』(75)を手がけたバベット・マンゴルト。主演は『ダーリング』(65)でアカデミー賞主演女優賞を受賞したイギリスを代表する俳優、ジュリー・クリスティ。映画(映画史)に囚われた女性像を体現する主人公ルビーを、存在感たっぷりに演じた。

 

 


ナイトシフト

1981年/イギリス/68 分/原題:Nightshift
◎監督・脚本:ロビーナ・ローズ◎脚本:ニコラ・レーン◎撮影:ジョン・ジョスト◎音楽:サイモン・ジェフス
◎出演:ジョーダン、ジム・アダムス、アン・リース=モッグ、マイク・レッサー、バーブ・ジュンガー、マックス・ハンドリー、ヒースコート・ウィリアムズなど

 

ロンドン・ノッティングヒルにあるポートベロー・ホテル。夜勤の受付係はルーティンワークをこなしながら、静かに風変わりな宿泊客たちを見つめる。ライブを終えたバンドマンたち、おちぶれた伯爵夫人、夜通しポーカーに興じる男たち…。まるで幻燈のような光景が映し出され、睡眠と覚醒の間、ホテルは幽霊が彷徨うような境界的な空間へと化していく。

 

昨年逝去したロビーナ・ローズが監督した唯一の長編劇映画作品。主演は英国のパンクカルチャーのアイコン的存在であり、デレク・ジャーマンの『ジュビリー』(78)にも出演した、ジョーダン(パメラ・ルーク)。撮影は米国のインディペンデント映画作家、ジョン・ジョストが手がけた。音楽は伝説的楽団「ペンギン・カフェ・オーケストラ」のサイモン・ジェフスが担当。ほか、1980年代初頭のロンドンのアート&カウンターカルチャーに関わる人物たちが参加。ミニマルかつリミナルな独自の世界観を作り上げた。数十年の間、鑑賞困難な状況にあったが、2024年に4K修復がなされ世界各国で上映が続いている。

 

 

 


〈上映スケジュール〉

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〈鑑賞料金〉

一般1900円、シニア1300円、会員・学生1200円、高校生以下・ハンディキャップ1000円
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