チャールズ・バーネット エブリデイ・ブルース

アフリカ系アメリカ人の日常と人間性をスクリーンに映し出し、アメリカ映画に静かな革命をもたらした伝説の映画作家チャールズ・バーネット。初期代表作を日本劇場初公開。

冷静な観察者の視点と詩人の感性で、黒人コミュニティの日常と、そこで生きる人々の人間性をスクリーンに映し出してきたチャールズ・バーネット。音楽権利の問題や配給の壁に阻まれ、その作品に触れる機会は長らく限られていた。そのため映画史の中で埋もれた存在となっていたが、2007年、代表作『キラー・オブ・シープ』の広範な公開を機に、改めて“再発見”されることとなった。コミュニティの内側からの親密なまなざしと、抑制された叙情性を湛える作風は、バリー・ジェンキンス、エイヴァ・デュヴァーネイ、ラメル・ロスら現代の黒人独立系映画作家たちへと受け継がれ、いまではアメリカ映画史における偉大な監督の一人として、世代やジャンルを超えて多くの表現者から深い敬意を集めている。本特集では、南ロサンゼルスを舞台にした初期二作ーー伝説的傑作『キラー・オブ・シープ』と、再編集を経て甦った『マイ・ブラザー・ウェディング』を、ともに最新の4Kレストア版で日本劇場初公開。(当館では2K上映)

 

 

 

 

キラー・オブ・シープ

1977年/アメリカ/80分
◎監督・脚本・製作・編集・撮影:チャールズ・バーネット
◎出演:ヘンリー・G・サンダース、ケイシー・ムーア、チャールズ・ブレイシー

公式HP→https://www.afterschoolcinemaclub.com/everydayblues/

この苦く、すばらしき世界
メランコリーとユーモア、絶望と希望 ――
LAの片隅で暮らすアフリカ系アメリカ人労働者の日常を、
詩的な映像美で映し出した奇跡のデビュー作

家族を養うため屠殺場で働くスタンは、空虚な日々を送っている。貧困と疲労、希望の乏しい現実の中で、彼は次第に感情を閉ざし、妻は孤独を募らせていく。 UCLA映画学科の修了課題としてほとんど素人のキャストで完成させたバーネット初の長編作品。音楽権利の問題から長らく公開が叶わず「幻の映画」とされていたが、完成から30年後の2007年についにアメリカで劇場公開が実現。2025年に完成した4K修復版では、ラストシーンを彩る楽曲がバーネットが当初望んでいたダイナ・ワシントン「Unforgettable」に差し替えられた。写実的なまなざしと、詩情豊かな映像美が融合した、アメリカ映画史に深く刻まれる傑作。

アメリカ映画の傑作。
骨の髄までインディペンデントで、過激な真実を語る映画
− The New York Times

 

 

 

 

マイ・ブラザーズ・ウェディング

2008年/82分(ディレクターズ・カット)/アメリカ
◎監督・脚本・撮影:チャールズ・バーネット
◎出演:エヴァレット・サイラス、ジェシー・ホルムス、ゲイ・シャノン・バーネット、ロナルド・E・ベル、サイ・リチャードソン

家族、友情、アイデンティティのあいだで揺れる青年の葛藤を描いた、
哀しみと可笑しみが交錯する悲喜劇

家業のクリーニング店を手伝いながら漫然と日々をやり過ごす、“大人になりきれない若者”ピアース。弁護士の兄が裕福な家庭の女性と婚約したことで、ピアースは居心地の悪さと劣等感を募らせる。同じ頃、刑務所から出所した親友ソルジャーと再会した彼は、家族への義務感と親友への忠誠心の板挟みになり、ある選択を迫られる。
長編二作目となる本作では、黒人コミュニティ内の階級差や世代間の心理的な隔たり、社会的成功から取り残された若者たちの苛立ちが、日常の隙間から静かに浮かび上がる。ピアースの優柔不断で不器用なふるまいが、ときに可笑しみを、ときに哀しみを呼び起こす、バーネット流のトラジコメディ。

可笑しさと哀しさが交錯する、優しさに満ちた掘り起こされるべき宝。
―― The Village Voice

 

 

 

 

〈上映スケジュール〉

 

〈鑑賞料金〉

一般1900円、シニア1300円、会員・学生1200円、高校生以下・ハンディキャップ1000円
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