『世紀の光』とアピチャッポン特集

世紀の光

2006年/タイ=フランス=オーストリア/105分
◎監督・脚本:アピチャッポン・ウィーラセタクン◎撮影:サヨムプー・ムックディープロム◎編集:リー・チャータメーティクン◎音響:デザイン清水宏一、アクリットチャルーム・カンヤーナミット

 

◎出演:ナンタラット・サワッディクン、ジャールチャイ・イアムアラーム、ソーポン・プーカノック、ジェンジラー・ポンパット、サックダー・ケァウブアディー

タイ映画として初めてカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した「ブンミおじさんの森」で知られ、同作が日本での劇場初公開作となったアピチャッポン・ウィーラセタクン監督が2006年に発表した長編作品。ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品された。日本では劇場未公開のままだったが、15年、ウィーラセタクン監督作の新作「光りの墓」の劇場公開にあわせ、劇場公開が実現。地方の病院が舞台の前半と、都市の近代的な病院が舞台の後半の2つのパートに分かれ、ウィーラセタクン監督作でたびたびモチーフとなる「記憶」と「未来」を、前半と後半で医師と患者の会話や恋といったエピソードを反復することで描き出していく。

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真昼の不思議な物体

2000年/タイ/83分/35mm
監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン

タイ北部の村で行商人の女性が、撮影クルーに促され、一つの架空の物語を語り始める。その続きを象使いの少年たち、伝統演劇の劇団員たちなど、様々な人々がリレー形式で即興的に語り継ぎ、物語は二転、三転しながら思わぬ方向に進んでいく・・・。驚くほどの自由なイマジネーションと同時に緻密に考えられた構成で、世界を仰天させた記念すべき長編初監督作品。

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ブンミおじさんの森

2010年/イギリス、タイ、ドイツ、フランス、スペイン/114分/35mm
監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン

腎臓の病に冒され、死を間近にしたブンミは、妻の妹ジェンをタイ東北部の自分の農園に呼び寄せる。そこに19年前に亡くなった妻が現れ、数年前に行方不明になった息子も姿を変えて現れる。やがてブンミは愛するものたちとともに森に入っていく・・・。美しく斬新なイマジネーションで世界に驚きを与えた、カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞作。

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【特別上映】アートプログラム〈中・短編集〉

99分
 
台詞のある作品はすべて日本語字幕付きで上映

※特別興行につき招待券はご使用いただけません。

1.Worldly Desires 2005|42分32秒〔韓国チョンジュ映画祭の企画『三人三色』で制作〕 

 

2.エメラルド(Emerald)2007|11分〔閉館してしまったバンコクのエメラルド・ホテル、その場所の記録と記憶〕

 

3.My Mother's Garden 2007|6分42秒〔ある宝石コレクションに、母の庭のイメージを重ねて撮影〕 

 

4.ヴァンパイア(Vampire)2008|19分〔”旅”をテーマにした映像作品を依頼され、自ら出かけたたタイとミャンマーの国境付近にはヴァンパイア鳥の伝承があり・・・。〕

 

5.ナブアの亡霊(Phantoms of Nabua)2009|10分43秒〔映像インスタレーション「プリミティブ」プロジェクト(09)と同時制作〕 

 

6.木を丸ごと飲み込んだ男(A Man Who Ate an Entire Tree)2010|9分〔タイの野生林で伐採を始めた男は、やがて、自然のドラッグ作用で自分をコントロールできない状態に・・・〕


上映スケジュールはこちらをご覧下さい

 

<鑑賞料金>
『世紀の光』:一般1,800円、学生1,500円、シニア1,100円、会員1,000円

『世紀の光』以外3作品:一般1,500円、学生1,300円、シニア1,100円、会員1,000円