UNDERGROUND CINEMAFESTIVAL IV
アンダーグラウンド・シネマ・フェスティバル4

公式HP→https://ucf4.sig-new.com/

上映作品

《特集1:伝説の個人映画作家集団TFO》

名古屋の伝説的劇場《シアター36》で1971年に結成された、個人映画作家集団TFOを大特集。
名古屋を拠点に全国各地で上映を行ない、ブルース・ベイリーや原将人ら国内外の映画作家と交流。’74年にはアメリカで巡回上映を行うなど、精力的な活動を展開した。60年代アンダーグラウンドのアナーキズムを継承し、舞踏や前衛美術との交流、大須実験ギャラリー共同運営など、70年代名古屋のアンダーグラウンド文化に重要な役割を果たした彼らの再評価は、地方の映像文化の豊かさの発見でもある。
今回はフィルムが現存する6人の作家の26作品を発掘しデジタル化。そのセレクションを上映する。

伊静亜伊/ Ai Ishizuka
『20億年の再突入』

(1973年/50分)

◆TFOのオルガナイザー伊静亜伊の代表作であり鑑賞可能な唯一の作品。サイケデリック体験を経て始まった映画による自己探求の旅を4部構成で描く映像詩。全編スロー再生による引き延ばされた時間感覚が日常の風景を変容させ、内的宇宙へと誘う。原将人によって「70年代前半のエポックメイキングな作品」と評価された重要作。 
【ニューデジタル版・ワールドプレミア】

 

フィルム・シンジケート
『フィルム・シンジケート作品集』

『フィルム・シンジケート作品集』
『MAN』(1970年/4分)岩田和雄
『超新星』(1972年/12分)岩田雄二 
『遠景・近景』(1973年/23分)岩田和雄
『応答』(1973年/8分)岩田雄二 
『銀虫』(1976年/10分)岩田雄二
『転寝(うたたね)日記』(未完)(1974年/37分)岩田和雄

◆岩田和雄と岩田雄二の兄弟によるユニット“フィルム・シンジケート”。作品は共同ではなく個別に制作されている。岩田和雄は、美術家の感性と日記映画を融合した独自の作風を追求。『転寝日記』は未完ながら、その集大成となった。岩田雄二(1952-2006)は、鋭敏な映像感覚で世界を捉え、精神世界へと繋がる幽玄の美の創造を志向。TFO以降も創作を続けた。個性の際立つ二人の作品のセレクション。

MAJYOLICA
『MAJYOLICA作品集』

『THE DAYS OF SILENCE』 (1971年/18分)
『MAY WIND OF CHILD』(1971年/13分)
『MY SUNSET FADE』(1971年/11分)
『EPHEMERA』(1974年/9分)
『Angel Chimes』(1981年/4分)

◆TFO唯一の女性メンバーであるMAJYOLICAは、ナイーブな視線と美意識で日常の断片を切り取る。自らの感情と感性に忠実な映像表現は、生活の中にある生、死、愛情、憧憬などを繊細に捉えている。70年代の女性映画作家の表現として発見されるべき作品集。【ニューデジタル版・ワールドプレミア】

 

清田士郎 / Shiro Kiyota
『清田士郎作品集』

『PONKIYA』(1975-76年/7分)
『MADO』(1977年/8分)

◆手持ちカメラが凝視する無人の食肉処理場や廃墟のディティールによって構成された2作品。スローモーション映写によって強調されるカメラの動きは、撮影者の繊細な感情と視線を浮かび上がらせ、その場所の冷ややかな空気感をも醸し出す。【ニューデジタル版・ワールドプレミア】

谷マリオ / Mario Tani
『DISTANCE』

(1978年/20分)

◆最後のTFOメンバーである谷マリオは映画的な実験に新たな可能性を見出そうとした。本作は2面マルチ上映とライブでの速度調整による、エクスパンデットな実験映像作品。【ニューデジタル版・ワールドプレミア】

《特集2:DIRECTOR IN FOCUS》

《純粋な映画的欲望によって生み出され、作家のメタファーとなる非商業的な映画》を”個人映画”と呼ぶならば、4人の作家の作品は純然たる”個人映画”だ。映画というメディアの自由と残酷さを内包する作品は、作家のパーソナリティと結びついた強烈な個性で、観客を挑発し翻弄し、新しい世界に連れてゆく。

 

スティーブン・ドウスキン / Stephen Dwoskin
『The Silent Cry(沈黙の叫び)』

(1977年/99分)

◆ロンドン・フィルム・メイカーズ・コープの設立にも関わったUKアンダーグラウンドの代表的映画作家スティーブン・ドウスキン。本作はクローズアップやズームを多用したフェティッシュな視線と時制を解体する展開によって一人の女性の内的苦悩を描く異色作。ドウスキンの個人映画的手法は、物語とドキュメンタリーの境界を曖昧に浮遊する。若き日のコージー・ファニ・トッティ(スロッビング・グリッスル、クリス・アンド・コージー)が本人として登場するのも見どころ。【日本初公開】

 

乙部聖子 / Seiko Otobe
『乙部聖子作品集』

『α』(1971年/4分)
『Return to Forever』(1972年/11分)
『白蓮華』(1974年/13分)
『Improvisation』(1979年/9分)
『TEST』(1983年/15分)
『みなそこにいて』(1985年/5分)
『昔話か?』(1986年/4分)
『胡桃の中の世界』(1988年/5分)
『タラッサ』(1988年/10分)
『星を呑み込んだ話』(1995年/6分)
『お逃げお止まり』(1996年/7分)

◆70年代初頭から8㎜やビデオ作品を多数制作。実験映画、アニメーションなど様々な手法を使い、鋭い映像センスと生々しい身体感覚で自己表現を続けた乙部聖子。映像のみならず、音楽、パフォーマンスなどジャンルを横断する活動と作品に込められたパーソナルなメッセージは、フェミニズムの視点からも再発見されるべき重要性を持つ。

 

岩田信市 / Shinichi Iwata
『大須パラダイス・大須熱帯植物園』

(1977年/20分)

◆ゼロ次元の設立メンバーであり、美術、演劇など多岐にわたる活動で名古屋アンダーグラウンドを牽引した巨人・岩田信市の監督作。大須実験ギャラリーAMPに組まれた熱帯植物園のセットで展開される肉体性とユーモア溢れるアナーキーな世界。撮影はフィルム・シンジケートの岩田雄二。

 

達智巳一 / Touch me
『達智巳一作品集』

『FACE TO THE FACE』(1976年/8分)
『A DAY after aday after…』(1977年/8分)
『In a summerbreeze』(1977年/14分)
『光風』(1977年/11分)
『広瀬忠司の〇の主題による変奏』(1978年/12分)

◆8㎜の自家現像から、自作のオプチカル・プリンターを駆使した16㎜作品まで、膨大な時間と労力でフィルムによる新しい視覚体験を生み出した異才の作品集。コマ単位の操作による強烈なフリッカーや幾重にも積み重なる映像が、観る者を異次元へと誘う。活動期間が短かく上映の機会も少なかったが、アナログならではの独自のアプローチと映像表現は再評価に値する。【ニューデジタル版・ワールドプレミア】

《特集3:追悼・天野天街》

2024年7月に逝去した天野天街の監督作『トワイライツ』のニューデジタル版と長谷川久監督作を併映。
名古屋の演劇界を駆け抜けた二人の鬼才による映画の饗宴!

 

天野天街 / Tengai Amano
『トワイライツ』

(1994年/33分)

◆少年王者舘主宰・劇作家の天野天街が監督した唯一の短編映画。生と死の間(あわい)で、過去・現在・未来を駆け抜ける少年のノスタルジックな幻想旅行。演劇的な仕掛けとサイレント映画の運動性が独自の世界を構築する。愛知芸術文化センター制作。【ニューデジタル版】
★オーバーハウゼン国際短編映画祭グランプリ
★メルボルン国際映画祭短編映画グランプリ。

 

長谷川久 / Hisashi Hasegawa
『にんげんだいすき鉄火面』

(1979年/27分) 【ニューデジタル版・ワールドプレミア】

『とまとぴん』

(1982年/25分)

◆天野天街とともに劇団少年王者(現・少年王者舘)を旗揚げし、『トワイライツ』にも音楽提供した自主映画の異端児・長谷川久のデビュー作『にんげんだいすき鉄仮面』を初デジタル化。クッチャー兄弟を思わせる天野天街の出演作『とまとぴん』は、1982年フジ8㎜コンテストグランプリ受賞。
★フジ8㎜コンテスト・グランプリ

《特別企画》『谷の霊』スペシャル・エディション

過去と現在のアンダーグラウンドがコラボレーションする、UCFの新しい取り組み!!

 

岩田雄二 / Yuji Iwata+ 林恭平 / Kyohei Hayashi
『谷の霊』スペシャル・エディション

《オリジナル映像『谷の霊』》(1982・35分) 岩田雄二 
《オリジナル音楽》2025 林恭平

◆TFOの岩田雄二の残した『谷の霊』。インド、ネパールの風景や水、光、風、植物など自然の摂理と運動を繊細に捉え、精神世界への旅へと誘う映像作品のために、気鋭の電子音響音楽家・林恭平がオリジナル音楽を制作。アンダーグラウンドの過去と現在のコラボレーションが、新しい映像体験を生み出す!【ニューデジタル版・ワールドプレミア】

イベント

6/6(土)19:30 Bプロ『フィルム・シンジケート作品集』上映後
ゲスト:櫻井篤史さん(映像作家)

6/8(月)19:10 Jプロ+Mプロ『達智巳一作品集』+『谷の霊』上映後
ゲスト:林恭平さん(電子音響音楽家・『谷の霊』音楽作曲)

6/12(金)19:20 Lプロ+Kプロ『長谷川久作品集』+『トワイライツ』上映後
ゲスト:石丸だいこさん(『トワイライツ』主演)、山崎のりあきさん(『トワイライツ』撮影)

入場料金

当日券

一般1500円、シニア1300円、学生・会員1200円、ハンディキャップ1000円


※トークショー付きの回は招待券・回数券使用不可

※ご鑑賞の7日前から窓口とオンラインでチケットのご購入が可能です。ご鑑賞当日はオンライン予約の方は専用窓口で発券、当日券の方は窓口で指定席をお選びの上、開始時間の10〜15分前からご入場いただきます。
<全席指定席>となります。満席の際はご入場出来ませんので、ご了承下さい。
オンラインチケットはこちら

スケジュール

① A『20億年の再突入』+I『大須パラダイス・大須熱帯植物園』 (70分)
② B『フィルム・シンジケート作品集』(94分)
③ D『MAJYOLICA作品集』+E『清田士郎作品集』+F『DISTANCE』(90分)
④ G『The Silent Cry(沈黙の叫び)』(99分)
⑤ H『乙部聖子作品集』(89分)
⑥ J『達智巳一作品集』+M『谷の霊』(90分)
⑦ L『長谷川久作品集』+K『トワイライツ』(85分)