『1+1=11』公開記念 矢崎仁司監督特集

世界各地に出かけて、現地の言葉で話し、生活を共にしながら人々とのラポールを基にフィールドワークする人類学者たち。そんな人類学者の目&カメラを通して描かれた世界の文化をお届けします。

上映作品

サンチャゴコンポステラへの巡礼
2004年/制作国:日本/撮影国:フランス、スペイン/50分/カラー
◎撮影・監督:大森康宏

スペイン西北部にあるキリスト教の聖地へ世界各国から巡礼に訪れる人たち。彼らにその理由、心の内をたずね、歩き続ける姿を記録した。

 

割礼の変容
2006年/制作国:日本/撮影国:バングラデシュ/36分/カラー
◎撮影・監督:南出和余

バングラデシュ農村社会では男児は7,8歳になると割礼を行う。ムスリム(イスラーム教徒)として、男性として、村の一員としての、大切な通過儀礼である。本作では、その割礼儀礼の現代的変化を2人の男児の儀礼に見る。また、通過儀礼としての割礼を、男児たちはどのように捉えているのか、子どもたちの視点から捉える。
◆第20回パルヌ国際ドキュメンタリー人類学映画祭 科学ドキュメンタリー最優秀賞受賞

 

津軽のカミサマ
1994年/制作国:日本/撮影国:日本(青森県)/93分/カラー
◎撮影・監督:大森康宏

工藤タキさんは、はじめ「カミサマ」として人の病を治し、占ってきた。やがてイタコの免許を師匠からもらい、恐山で開業するようになった。彼女の活動ぶりを長期にわたって追跡し、おしらさまの儀式や遊ばせを中心にとらえることで、タキさんと周囲の人々との関係が浮かび上がってきた。
◆1995年「パリ第14回民族誌映画総合大会」ナヌーク賞(グランプリ)受賞 他多数

   

老いの時空
2008年/制作国:日本/撮影国:インドネシア/30分/カラー
◎撮影・監督:村尾静二

影絵人形(ワヤン・クリット)を操るワヤン氏はそろそろ80歳を迎える老人である。宗教、慣習、芸術が生活世界の規範となるインドネシアのバリ島社会において、老人はどのような「老い」を生きているのか。ここには「老い」にまつわる諸問題-身体(からだ)、社会的地位、知識、技術、伝承、超越など-が含まれている。
◆Aspects2008-人類学映画祭(Torun, Poland)上映

 

シムルの夢と葛藤
2013年/制作国:日本/撮影国:ギリシャ、バングラデシュ/37分/カラー
◎撮影・監督:南出和余

成功を夢見てバングラデシュから海外へ出稼ぎに出る若者たち。しかし、シムルが渡ったギリシャは経済危機に見舞われ、思い描いていた海外生活とは様子が大きく異なる。母国バングラデシュで待つ家族は、そんな海外で働くシムルをどのように見ているのだろうか。本作は、村の家族と出稼ぎ青年を映像で繋ぎ、海外出稼ぎへの思いに迫る。
◆第13回ダッカ国際映画祭上映

 

jo joko
2012年/制作国:日本/撮影国:カメルーン/61分/カラー
◎撮影・監督:分藤大翼

狩猟採集という生き方=食べ方。身のまわりの自然から、その日に食べるものを手に入れて、分けあって食べる。中部アフリカの熱帯雨林には、人類のもっとも基本的な文化を受け継ぐBaka(バカ)という人々が暮らしている。彼らの言葉では「食べ物」のことをjo(ジョ)、なんであれ「良い」ことをjoko(ジョコ)と言う。本作は、森に生きる人々の食事の様子を、ただそれだけを描こうとした人類学的アクション映画である。
◆第22回ベオグラード国際民族誌映画祭 ◆UNESCO南東ヨーロッパ無形文化財保護地域センター特別賞受賞

 

アナ・ボトル―西ティモールの町と村で生きる
2012年/制作国:日本/撮影国:インドネシア/43分/カラー
◎撮影・監督:森田良成◎構成協力:市岡康子

インドネシア、西ティモールの町クパンには、「アナ・ボトル(空き瓶の子)」と呼ばれる、廃品回収に従事する男たちがいる。一見したところ、あきらかに「貧しい」生活をしている彼らは、はたして本当に「貧しい」のだろうか。彼らはどのようにしてお金を稼ぎ、またそれをどのように使っているのだろうか。
◆第10回ケベック国際民族誌映画祭上映 他

 

こころを架けることば
2011年/制作国:日本/撮影国:中国/30分/カラー
◎撮影・監督:伊藤悟

本作品は徳宏タイ社会に伝わる上座仏教経典の創作と朗誦の実践を記録したものである。主人公の美しいことばを詠む声の表情と、その響きを聴く人びとの情動と感性の機微をとらえた。
◆第6回モスクワ映像人類学国際映画祭 新人部門最優秀賞受賞

 

Room 11, Ethiopia Hotel
2006年/制作国:日本/撮影国:エチオピア/23分/カラー
◎撮影・監督:川瀬 慈

エチオピアホテル11号室の窓から下を見下ろすと、靴磨き、豆売り、荷物運び、洗車係等、ストリートは働く子供たちであふれている。本作は、エチオピア、ゴンダールの路上で人々が繰り広げる細々としたドラマと、路上で生活を行う2人の少年シファロとヨハネス、そして撮影者である私自身によるホテルの部屋でのやりとりから生起する物語に焦点をあてた。
◆2008年サルデーニャ国際民族誌映画祭 最も革新的な映画賞受賞

 

キューバ・センチメンタル
2010年/制作国:日本/撮影国:キューバ、イギリス、スペイン、チリ、米国/60分/カラー◎撮影・監督:田沼幸子◎監修:市岡康子
文化人類学の院生として調査のためにハバナに滞在した私(サチ)は、キューバ人の友人のグループに出会った。その後、彼らのほとんどがキューバを去った。 イギリス、スペイン、チリ、アメリカ合衆国———たまたまたどり着いた未知の土地へと。私は彼らをいま住む場所に訪れ、撮影し、それをまた別の土地に住む家族や友人たちにみせながら旅をした。キューバ人がユートピア的な夢によって知られる自国を去ることについてどのように感じているのかをカメラで追った。◆第8回ケベック国際民族誌映画祭上映 他


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鑑賞料金

当日:一日券1000円(一般・学生・会員・シニア共通)  

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トークイベント&舞台挨拶 上映日程


■協力■
桃山学院大学 共同研究「大学における映像・メディア教育モデルの構築」(代表:南出和余)
愛知県立大学 教育研究活性化推進費事業「映像技術を中心としたフィールドワーク技法の教育と成果の社会還元」(代表:亀井伸孝)
大森康宏、分藤大翼、森田良成、村尾静二、川瀬慈、伊藤悟、田沼幸子、南出和余

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