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メーサーロシュ・マールタ監督特集

ハンガリーの至宝 メーサーロシュ・マールタ監督特集 女性たちのささやかな革命!

イザベル・ユペール、アンナ・カリーナ、デルフィーヌ・セイリグら名だたる 俳優を魅了し、アニエス・ヴァルダがオールタイム・ベストのひとつとしてその作品を挙げた、ハンガリーの映画監督メーサーロシュ・マールタ。「民主化」が標榜する偽りの自由や、女性の主体性を脅かす社会の相貌を描き続ける彼女の作品はいまもなお色あせることはなく、その誠実なまなざしは現代社会の欺瞞さえも暴きうる。金熊賞受賞作をはじめとする初期傑作群が、レストア版で一挙日本初公開!

公式HP→https://meszarosmarta-feature.com/

上映作品

『ドント・クライ プリティ・ガールズ!』

『ドント・クライ プリティ・ガールズ!』1970年/ハンガリー/89分
◎監督:メーサーロシュ・マールタ◎脚本:ズィムレ・ペーテル◎撮影:ケンデ・ヤーノシュ
◎出演:ヤロスラヴァ・シャレロヴァー/ザラ・マールク/バラージョヴィチ・ラヨシュ

◆ビート・ミュージックのファンである若者たちは、うだつの上がらない日々を工場での労働に費やしている。ユリは不良青年のうちのひとりと婚約しているのだが、とあるミュージシャンと恋に落ちた。ギグを開くという彼とともに、ユリは小旅行へ出かける。しかし嫉妬深い婚約者と彼の不良仲間たちは執拗にふたりを追いかけ……。溢れんばかりのビート・ミュージックとともに、当時の息詰まるような社会の閉塞性がたしかに刻印された、珠玉の音楽逃避行劇。

 

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『アダプション/ある母と娘の記録』

『アダプション/ある母と娘の記録』1975年/ハンガリー/88分
◎監督 ・脚本:メーサーロシュ・マールタ◎脚本:ヘルナーディ・ジュラ、グルンワルスキ・フェレンツ◎撮影:コルタイ・ラヨシュ◎出演:べレク・カティ/ヴィーグ・ジェンジェヴェール/フリード・ペーテル/サボー・ラースロー
■第25回ベルリン国際映画祭 金熊賞他

◆43歳のカタは工場勤務の未亡人。彼女は既婚者と不倫関係にある。カタは子どもが欲しいのだが、愛人は一向に聞き入れない。とある日カタは、寄宿学校で生活するアンナと出会い、彼女の面倒を見ることにした。次第にふたりは奇妙な友情を育んでいく。メーサーロシュの名を一躍世界に知らしめた記念すべき作品。家父長制すら歯牙にもかけぬ主人公たちの親密さを、決して見逃してはならない。

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『ナイン・マンス』

『ナイン・マンス』1976年/ハンガリー/94分
◎監督:メーサーロシュ・マールタ◎脚本:ヘルナーディ・ジュラ、コーローディ・イルディコー◎撮影:ケンデ・ヤーノシュ
◎出演:モノリ・リリ/ヤン・ノヴィツキ
■第30回カンヌ国際映画祭 国際映画批評家連盟賞受賞
■第27回ベルリン国際映画祭 OCIC特別賞受賞

◆ユリは工場勤務の傍ら、農学を学んでいる。工場の上司は彼女と恋に落ちる。ユリは彼に誠実な関係を望むいっぽう、前パートナーとの間に子どもがいる事実を隠している。やがて彼女の秘密は明らかになるのだが、上司は子どもの存在を受け入れるだけの心の準備ができておらず……。ドキュメンタリー作家としてキャリアをスタートさせたメーサーロシュが、作為性や修飾を極限にまで削ぎ落した「真実」の記録。

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『マリとユリ』

『マリとユリ』1977年/ハンガリー/98分
◎監督:メーサーロシュ・マールタ◎脚本:コーローディ・イルディコー、バラージュ・ヨージェフ◎撮影:ケンデ・ヤーノシュ
◎出演:マリナ・ヴラディ/モノリ・リリ/ヤン・ノヴィツキ


◆マリの夫は偏狭な男で、ユリの夫はアルコールに依存している。彼女たちはつらい夫婦生活を乗り越え、慰めを求めあう。互いの葛藤を知ったふたりは、それぞれの人生を歩むべく、ある決断をする。結婚生活に絡めとられる二人の女性の連帯を、厳しくも誠実なまなざしで捉えた精緻な秀作。

 

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『ふたりの女、ひとつの宿命』

『ふたりの女、ひとつの宿命』1980年/ハンガリー-フランス/105分
◎監督 ・脚本:メーサーロシュ・マールタ◎脚本:コーローディ・イルディコー◎撮影:ラガーイ・エレメール
◎出演:イザベル・ユペール/モノリ・リリ/ヤン・ノヴィツキ/ペルツェル・ズィタ/サボー・シャーンドル

◆1936年。ユダヤ人のイレーンは、裕福な友人・スィルヴィアからある相談を持ち掛けられる。スィルヴィアは不妊に悩んでおり、イレーンに自身の夫との間で子どもをつくってほしいと言う。そうして生まれた子どもに莫大な財産の相続が約束されたのだが、彼らの関係は悪化の一途をたどる。その頃世界ではファシズムが台頭し……。幅広い文化圏の映画監督と協業を続けるイザベル・ユペールは、その最初期の重要な出演作として本作を挙げている。この後メーサーロシュは「日記」四部作に代表される歴史映画を手掛けていくが、その契機としても見落とすことができない意欲作。


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入場料金

当日券

●料金=一般1,700円/シニア1,200円/会員・学生1,100円

※ご鑑賞の7日前から窓口とオンラインでチケットのご購入が可能です。ご鑑賞当日はオンライン予約の方は専用窓口で発券、当日券の方は窓口で指定席をお選びの上、開始時間の10〜15分前からご入場いただきます。(※回数券のご購入、ご予約は窓口のみ)
<全席指定席>となります。満席の際はご入場出来ませんので、ご了承下さい。
オンラインチケットはこちら

スケジュール

8/26土〜9/1金
15:10 ー
『ドント・クライ プリティ・ガールズ!』
17:05 ー
『アダプション/ある母と娘の記録』

9/2土〜9/8金
12:55 ー
『ナイン・マンス』
14:50 ー
『マリとユリ』

9/9土〜9/15金
15:20 ー
『ふたりの女、ひとつの宿命』

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