ジョージア映画祭 コーカサスからの風

 

 

 

『アネット』公開記念 レオス・カラックス作品特集上映

レオス・カラックス

1960年、パリ近郊にアレックス・デュポンとして生まれる。13歳でアレックスとオスカーのアナグラムであるレオス・カラックスに自ら改名。10代前半から映画を観あさり、イギー・ポップに憧れ、セリーヌを愛読する早熟な子どもだった。16歳でバカロレアに合格、リセを辞めパリにでる。17歳で未完の短編『夢に見た娘』を撮り、18歳でカイエ・デュ・シネマに寄稿。80年に初めて完成させた『絞殺のブルース』がイエール映画祭でグランプリ受賞。そのフィルモグラフィーは長編6本、オムニバス映画1本と寡作ながら、一作ごとに新たな世界を生み出してきた唯一無二の映画作家。

上映作品

『ボーイ・ミーツ・ガール』 Boy Meets Girl

『ボーイ・ミーツ・ガール』 Boy Meets Girl1984年/フランス/104分/モノクロ/35㎜/ヴィスタ
◎監督・脚本:レオス・カラックス◎撮影:ジャン=イヴ・エスコフィエ
◎出演:ミレーユ・ペリエ、ドニ・ラヴァン、エリー・ポワカール

◆84年にカンヌの映画祭で上映され“恐るべき子ども”と一躍脚光を浴びた、カラックス22歳の長編処女作。5月のパリの夜、失恋したばかりの少年アレックスが美しい少女ミレーユと出会い、やがて悲劇的な結末を迎えるまでを、ベルベットのように艶やかなモノクローム映像で綴る。夜闇にうかぶ街の光が宝石のように刻まれた画面は、フィルム・ノワールやヌーベルヴァーグの雰囲気を漂わせながら、まぎれもなく80年代の精神の声を伝えている。

 

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『汚れた血』 Mauvais Sang

『汚れた血』 Mauvais Sang1986年/フランス/119分/カラー/35㎜/ヴィスタ
◎監督・脚本:レオス・カラックス◎撮影:ジャン=イヴ・エスコフィエ
◎出演:ジュリエット・ビノシュ、ドニ・ラヴァン、ミシェル・ピコリ

◆ドニ・ラヴァンが再び主人公“アレックス”を演じ、永遠に結ばれることのない男女の三角関係をスピーディかつリリカルに描く。愛のないセックスで感染する病気が蔓延するパリ。新しい人生を望むアレックスは、亡き父の友人マルクから犯罪に誘われるが、やがてマルクの愛人アンナに惹かれてゆく…。デヴィッド・ボウイの「モダン・ラブ」が流れる中を駆け抜ける長廻し撮影、ラストのアンナの疾走などは映画史に残り名シーンと名高い。

 

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『ポーラX』 Pola X

『ポーラX』 Pola X1999年/フランス=ドイツ=日本=スイス/カラー/134分/35㎜/ヴィスタ
◎監督・脚本:レオス・カラックス◎撮影:エリック・ゴーティエ
◎出演:ギョーム・ドパルデュー、カテリーナ・ゴルベワ、カトリーヌ・ドヌーヴ


◆ハーマン・メルヴィルの小説「ピエール」を映画化。虚飾の人生の中で真実を渇望する小説家のピエールと、謎の女イザベル。ピエールは姉かも知れぬイザベルとの愛を求め、美しい母と婚約者の満ち足りた生活を捨て、魂の暗闇に落ちてゆくー。闇の中の官能的なベッドシーン“血の河”に溺れる夢など、今まで以上に強烈な闇のイメージによって破滅に向かう男の魂を描き、カラックスが新境地を開いた作品。

 

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『ホーリー・モーターズ』 Holy Motors

『ホーリー・モーターズ』 Holy Motors2012年/フランス/カラー/115分/DCP/ヴィスタ
◎監督・脚本:レオス・カラックス◎撮影:キャロリーヌ・シャンプティエ
◎出演:ドニ・ラヴァン、エディット・スコブ、エヴァ・メンデス、カイリー・ミノーグ、ミシェル・ピコリ

◆銀行家、殺人者、物乞いの女、父親…。いくつもの“人生のアバター”を演じながら、白いリムジンでパリの街中を駆けぬけるオスカーの1日。なぜ彼は、誰かの人生を演じ続けるのか?ドニ・ラヴァンの躍動する身体とシャンプティエの撮影によって、カラックスは自身の夢のヴィジョンからミステリアスな物語を生み出した。スパークスの音楽やカイリー・ミノーグが生で歌うミュージカルシーンなど、最新作『アネット』誕生の端緒を見ることができる。

 

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『アネット』

『アネット』 Annette

『汚れた血』 Mauvais Sang2021年/フランス=ドイツ=ベルギー=日本/140分
◎監督:レオス・カラックス◎原案・音楽:スパークス◎歌詞:ロン・メイル、ラッセル・メイル & LC
◎出演:アダム・ドライバー、マリオン・コティヤール、サイモン・ヘルバーグ

公式HP→https://annette-film.com/

◆2021年第74回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門 オープニング作品 監督賞受賞
愛の大渦(メールストロム)に呑み込まれる、ダークファンタジー・ロック・オペラ!唯一無二の監督カラックスのとてつもない傑作!

ロサンゼルス。攻撃的なユーモアセンスをもったスタンダップ・コメディアンのヘンリーと、国際的に有名なオペラ歌手のアン。“美女と野人”とはやされる程にかけ離れた二人が恋に落ち、やがて世間から注目されるようになる。だが二人の間にミステリアスで非凡な才能をもったアネットが生まれたことで、彼らの人生は狂い始める。

カラックスは23才の時、長編第1作『ボーイ・ミーツ・ガール』(1984年)をカンヌの批評家週間に出品。自身の分身といえるアレックスの閉ざされたロマンティシズムを夜の闇に描いてヤング大賞を受賞し、「恐るべき子供」「神童」と騒がれた。そのカラックスもすでに60才。今回は”偶像破壊的”なバンド・スパークス(ロン&ラッセルのメイル兄弟)のオリジナルストーリーをもとに、ほぼ全編の台詞が(ベッドシーンまで!)歌われるロックオペラ・ミュージカルとして、独創的なダークファンタジーを創り出した。英語圏でも「本年の最もオリジナルな映画」「興奮させる傑作」「壮大な実験」と軒並み評価が高い。

同じことを繰り返さず、後にも先にも似た作家のいない”唯一無二”の監督カラックスは、作品数こそ少ないが、早くから現代映画の重要な作家と目されてきた。”アレックス3部作”として新感覚のフィルムノワール『汚れた血』(1986年)、究極の愛と孤独を見つめた『ポンヌフの恋人』(1991年)を完成後、文豪メルヴィルの原作を現代に翻案した壮絶な『ポーラX』(1999年)、銀行家らしき男が別人に変身を重ねる予測不能な『ホーリー・モーターズ』(2012年)と一作ごとに未踏の領域へ挑戦してきた。『アネット』はその集大成であり、カラックスならではの新たな「夜の讃歌」にして「夜の果てへの旅」となった。


 

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入場料金

当日券

『アネット』一般1,800円/シニア1,200円/学生・会員1,100円/高校生以下1,000円
【他4作品】一般1,500円/シニア1,200円/学生・会員1,100円/高校生以下1,000円

※ご鑑賞当日はオンライン予約の方は専用窓口で発券、当日券は受付窓口 で指定席をお選びの上ご購入ください。開始時間の10〜15分前からご入場いただきます。
前売券なども受付にて座席指定券とお引き換え下さい。1週間前よりオンライン&窓口でご購入いただけます(ただし、前売券は窓口のみ。)
<全席指定席>となります。満席の際はご入場出来ませんので、ご了承下さい。
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スケジュール

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