香港インディペンデント映画祭in大阪

上映作品

2014年〈雨傘運動〉から2019〜2020年香港民主化デモまで ─ “香港の真の姿”を描きだす,インディペンデント映画全18作品を一挙、日本初上映!


僕は屈しない|地厚天高|Lost in the fumes

僕は屈しない2017年/93min/カラー/広東語
監督▶︎ノーラ・ラム(Nora Lam)
プロデューサー▶︎ヴィンセント・チュイ(Vincent Chui)

♦その内容から香港での劇場公開はかなわなかったが、2018年から今日まで香港アートセンターをはじめ、すでに数百回以上の自主上映が行われ、毎回満席を記録した奇跡のような映画。その人気の理由は、この映画の主人公である香港本土派の政治活動家、エドワード・レオンのカリスマ性にある。2019年の民主化デモでのメインスローガン「光復香港、時代革命」は、実は2016年にレオンが立法会議員に立候補した際の選挙スローガンに由来し、彼の影響力の大きさが窺えるだろう。レオンは旺角(モンコック)で起きたデモ騒動で6年の実刑判決を受けているが、本作はその事件の顛末を活写している。

本作に出演した後、レオンは一時海外に亡命した。その後、香港に戻ると逮捕され、未だ服役中である。


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逆さま|対倒|Tete-Beche

逆さま2017年/78min/劇映画/カラー/広東語
監督▶︎ルーサー・ン(Luther Ng)
主演▶︎ベン・ユエン(Ben Yuen)、ン・ウィンシー(Ng Wing Sze)、ニック・ヤン(Nic Yan)

◆雨傘運動が終わり香港社会が大きな転換期を迎えたにも関わらず、ドキュメンタリー映画以外、このような時代を必死に生きようとする一般香港人の生活を描く劇映画は、ほとんど製作されていない。

本作は雨傘運動の影響を受けたある家族(父はベテランの新聞記者、息子は警察、娘はデモ参加者)の矛盾、対立と崩壊の過程を2014年から2017年までの長いスパンで丁寧に、そしてリアリスティックに描いている。

香港映画に欠かせない名優、ベン・ユエン(袁富華)が『トレイシー』の演技で香港アカデミー賞助演男優賞を獲得する以前に撮影された、初主演作ということでも話題を呼んだ。


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逆向誘拐|Napping Kid

逆向誘拐2017年/78min/劇映画/カラー/広東語
監督▶︎アモス・ウィ(Amos Why)
主演▶︎セシリア・ソー(Cecilia So)、ン・シウヒン(SiuHin Ng) 、ディビッド・シウ(David Siu)

◆第10回大阪アジアン映画祭にも出品された『点対点』のアモス・ウィー監督の長編映画、第2作。原作は2013年台湾の島田荘司推理小説大賞を受賞している。

商業映画のみならず自主映画にも積極的に投資・製作・配給をおこなう制作会社「ゴールデン・シーン」が『点対点』に続き本作をプロデュース。自主映画にも関わらず、香港映画を代表する若手俳優やベテラン俳優など豪華キャストが集結。サスペンス映画の形を借りて、若者が彼らよりも上の世代に対して抱く絶望感、そして反乱をエンタテイメントとして描いている。

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あなたを思う|看見你便想念你|I miss you, when I see you

あなたを思う2018年/93min/劇映画/カラー/広東語
監督▶︎サイモン・チュン (Simon Chung)
主演▶︎ジュン・リー(李駿碩)


◆香港を代表するゲイの映画作家、サイモン・チュン監督の最新作。あるゲイカップルが時代に翻弄されながら、お互いの愛を確認し合うプロセスを感情豊かに描くことに成功し、香港版『ムーンライト』と絶賛されている。テーマ・内容ともに一見すると政治とは無縁にも感じられるが、ある意味では最も政治的な映画であるメロドラマの傑作である。

主演のジュン・リーは、その後『トレイシー』(2018年に東京国際映画祭で上映)で監督デビューを飾り、香港アカデミー賞にも多くの部門でノミネートされ話題を呼んだ。本作は香港国際映画祭、シアトル国際映画祭、台湾クィア映画祭などに出品された。


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理大囲城|理大圍城|Inside the Red Brick Wall

理大囲城2020年/88min/カラー/広東語
監督▶︎香港ドキュメンタリー映画工作者
主演▶︎ジュン・リー(李駿碩)

◆2019年11月中旬、香港の繁華街に位置し、香港島と九龍島の間にあるトンネルの要塞にある香港理工大学(理大)で警察と学生との攻防が11日間にわたり繰り広げられた。その間、大学キャンパス内は惨憺たる戦場と化した。

後に、1000人以上の学生が暴動罪で逮捕されることになったこの事件は、2019年の民主化デモの中で最もスキャンダラスな事件であったが、あまりマスメディアでは報道されておらず、その真相と経緯も未だに明らかにされていない点が多い。観客は本作に映し出される衝撃的な現実を目の当たりにして、驚かざるを得ないだろう。

本作の監督と製作者は、今後のキャリアや身の安全を考慮して匿名(香港ドキュメンタリー映画工作者)とされている。香港映画評論学会最優秀映画賞、台北国際ドキュメンタリー映画祭オープニング映画。


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2019年 香港民主化デモ 傑作短編集 [計100分/ドキュメンタリー]

2019年6月中旬から始まった反中抗争運動は今日まで続いている。クライマックスは2019年11月中旬の香港理工大学での攻防戦だが、それまでにもいくつかの決定的で、重大な事件もあった。以下の短編ドキュメンタリー映画を時系列で見ていくと、マスコミとテレビが伝えなかった、この香港史上最大の民主化デモの一面を窺い知ることができるだろう。

 

立法会占拠|佔領立法會|Taking back the Legislature

立法会占拠2019年/45 min/カラー/広東語
監督▶︎香港ドキュメンタリー映画工作者

◆2019年7月1日、香港返還記念日。ビクトリアパークには多くの人々が集まり、市内をデモ隊が行進している。そんな中、台湾の「ひまわり運動」になぞらえ立法会に突入し占領しようと呼び掛ける若者たちと、冷静にそうした無謀な行動を静止しようとする大人たちがいた。

最終的に若者たちは立法会に突入・占拠したのだが、その夜は香港の政治史上でも未曾有の夜となり、占拠した若者たちが感じた恐怖も尋常ではなかった。本作は、若者たちが感じた緊張感と焦りを余すことなく伝えた貴重な記録映像である。台湾アカデミー賞ドキュメンタリー映画賞ノミネート。


私たちのやり方|用自己方式的時|The Time of Individual

私たちのやり方2019年/13 min/カラー/広東語
監督▶︎カナス・リウ(Kanas Liu)

♦2019年7月7日、香港の繁華街。若者たちが必死に、中国大陸からやってきた観光客に「一体なぜ、彼らが反中デモをおこなわなければならないのか」、その理由を平和的な手法で伝えようとする。



仲間たち|手足|Comrade

仲間たち2019年/15 min/カラー/広東語
監督▶︎カナス・リウ(Kanas Liu)

◆2019年7月28日。香港島の西で、警察と市民との間で大規模な武力衝突が起きた。警察は無差別に市民を逮捕したが、市民たちは警察に捕まらないよう、互いに助け合う。2020年ベルリン国際映画祭出品作。



試行錯誤|Trial and Error

試行錯誤2019年/12 min/カラー/広東語
監督▶︎カナス・リウ(Kanas Liu)

◆2019年8月12日、ゼネストをおこなっても政府が一向に市民の声に耳を傾けない中、デモ隊たちは最後の賭けに出た。香港国際空港を占拠することだ。警察が強制的に武力撤去に乗り出すと噂される中、最後まで空港を死守した人々と、空港から引き上げようとした人々の対立と助け合いが描かれる。

 


誰も見捨てない|缺一不可|No One Less

誰も見捨てない2019年/15 min/カラー/広東語
監督▶︎カナス・リウ(Kanas Liu)

◆2019年9月13日、香港では旧正月に次いで重要な中秋節に、警察拘留所の前で集まった無数の若者たち。彼らが警察に逮捕・拘留されたデモ参加者たちに応援の歌を送る。涙なしでは見られない感動作。

その日は、ちょうど抗争開始から100日目。逮捕されたデモ参加者は延べ1453人、その年齢は12歳から72歳まで。


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「香港、アイラブユー」短編集 — I Love Hong Kong Series [計118分/2019年]

2019年抗争運動以後、若手新人監督たちによる、香港への強い思いと愛情で作られた劇映画短編集。監督は映画科の学生から商業映画の現場で下積みを経験した助監督や制作スタッフまで含まれる。以下8本とも彼女と彼らが間違いなくこれからの香港映画を担うことになるだろうと思わせる力作だ。ここからぜひ香港の新しい才能を発見してください。

暴動の後、光復の前|暴動之後,光復之前|After the Riots, Before the Liberation

暴動の後、光復の前2020年/15 min/カラー/広東語
監督▶︎イウ・ジョンホン(Iu Chung Hong)

◆劇映画でもなくドキュメンタリーでもなく、エッセイ映画という形で香港抗争運動の歴史が語られ、描かれる。数々のイメージとサウンドのモンタージュはあたかもゴダールやクリス・マルケルが撮ったような美しい詩篇となっている。

 

 

尋ね人|尋人啟事|Missing

尋ね人2020年/17 min/カラー/広東語
監督▶︎チュウ・カーセン(Chu Ka-Shing)
主演▶︎ロー・ジャンイップ(Lo Chun Yip

◆父から引き継いだレストランの壁の一角に、隙間なく貼られた「尋ね人」の貼り紙。兄妹はごく最近おきた出来事によって、行方不明になったり、香港を離れたりした多くの人々の複雑な思いを知る。

 

 

ラブレター|和你寫一封情書|Loves, with Love

ラブレター2020年/14 min/カラー/広東語
監督▶︎ジョミン・チャン(Jomin Chan)

◆幼馴染の少女が年上の男性にラブレターをわたすのを目撃する─ 少女に片思いをした少年の心の移り変わりを描く珠玉の短編。

 

 

 

初めての夜|第一晚|Blue Hour

初めての夜2020年/12 min/カラー/広東語
監督▶︎サム・イップ(Sam Ip Siu Chung)

◆宅配デリバリー「フードパンダ」の配達員になった父の初出勤の夜、息子と一緒に食べ物を客に届けに行くと、そこで思わぬ出会いがあった。

 

 

 

1944年の秋|四四年秋|Days of Fall

1944年の秋2020年/9 min/カラー/広東語
監督▶︎フィッシャー(Fisher)

◆1944年の秋、日本軍に占領された香港で、イギリス軍の逃亡を手伝った香港の若者が一人の少女と出会うことで、彼の運命が大きく動き出す。

 

 

 

ホワイトナイト|天暗亦明|White Night

ホワイトナイト2020年/21min/カラー/広東語
監督▶︎チョウ・キンカン(Chow King Kan Kingston)

◆ある香港人女子大生が台湾に引越した。彼女に興味を持つ隣人の台湾人男性が急接近。やがて彼は彼女の秘密を知ることになる。

 

 

 

町へ出よう|出去|Going Out

町へ出よう2020年/14min/カラー/広東語
監督▶︎ジェイソン・イウ(Yiu Man Kwan Jason)

◆香港の元朗駅構内で、2019年7月21日の夜、白色のTシャツを着た集団が、人々を無差別に襲撃した「白服集団無差別襲撃事件」が起きた。その夜におこったある出来事をパロディとして描いている。

 

 

レモン、牛乳|檸檬,牛奶|Lemon Milk

レモン、牛乳|檸檬,牛奶2020年/15min/カラー/広東語
監督▶︎ワイリー・チャン(Wylie Chan)
主演▶︎ン・ウィンシー(Ng Wing Sze)、 ロー・ジャンイップ(Lo Chun Yip)

◆未来の香港。ある若い女性が保険会社の入社テストを受ける。限られた時間の中、顧客の問題を解決しなければならない。やがて彼女の目の前の顧客たちが実はアンドロイドだと気づく。

 

入場料金

当日券

一般1,500円/学生・シニア1,100円/高校生以下・会員1,000円

※ご鑑賞の3日前から窓口とオンラインでチケットのご購入が可能です。ご鑑賞当日はオンライン予約の方は専用窓口で発券、当日券の方は窓口で指定席をお選びの上、開始時間の10〜15分前からご入場いただきます。
<全席指定席>となります。満席の際はご入場出来ませんので、ご了承下さい。 オンラインチケットはこちら

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