クロード・シャブロル傑作選Vol.2

ヌーヴェルヴァーグの旗手として、サスペンスやミステリーの巨匠として、半世紀にわたりフランス映画界を牽引してきた映画監督クロード・シャブロル。“悪意の眼” が輝く彼の作品群の中でもとくに容赦のない強烈な魅力をはなつ伝説の3本を公開。「ロウフィールド館の惨劇」という副題で1996年に日本公開され、フランス映画史上屈指のサスペンスとして名高い『沈黙の女』。両親を毒殺した少女の実話に基づく『ヴィオレット・ノジエール』。シャブロルの個性が最も際立つ幻の怪作『ベティ』。どんな美徳より、悪が現れる瞬間を見つめたほうが面白いといわんばかりの、危険なシャブロル映画をご堪能ください。

 

公式HP→https://claudechabrol2026.jp/

上映作品

 

ヴィオレット・ノジエール デジタルリマスター版

1978年/原題:Violette Nozière/124分
◎脚本:オディール・バルスキ、エルヴェ・ブロンベルジェ、フレデリック・グランデル
◎出演:イザベル・ユペール、ステファーヌ・オードラン、ジャン・カルメ、リサ・ラングロワ

◆1933年に実の両親を毒殺した罪で死刑判決となるも恩赦をうけ釈放され、シュルレアリストたちのミューズとなった実在の少女、ヴィオレット・ノジエールの心理に踏みこむシャブロル監督の代表作。家庭で窮屈な思いをしながら、外で不品行な行動を重ねるあやうく繊細な18歳のヴィオレットをキャリア初期のイザベル・ユペールが完璧な存在感で演じ、第31回カンヌ国際映画祭で女優賞を獲得した。『女鹿』『不貞の女』『肉屋』のステファーヌ・オードランがヴィオレットの母親役にふんする。

 

ベティ デジタルリマスター版

1992年/原題:Betty/103分
◎原作:ジョルジュ・シムノン◎脚本:クロード・シャブロル
◎出演:マリー・トランティニャン、ステファーヌ・オードラン、ジャン・フランソワ=ガロー

◆アルコールに溺れる若い女性ベティは、ある日「穴」という名のレストランで中年女性ローラと知り合う。ローラはベティの面倒を見ることに決め、自分が泊まっているホテルの隣の部屋に彼女を連れていく。日を重ねるごとにベティはローラに自身の結婚生活や“奔放”になった過去を回想するが…。原作は「メグレ警部」シリーズをはじめとするフランスを代表する作家であり、シャブロルが偏愛したジョルジュ・シムノンの同名小説。ベティを演じるのは名優ジャン=ルイ・トランティニャンの娘、マリー・トランティニャン。

 

沈黙の女 デジタルリマスター版

1995年/原題:La Cérémonie/111分
◎原作:ルース・レンデル◎脚本:クロード・シャブロル、カロリーヌ・エリアシェフ
◎出演:イザベル・ユペール、サンドリーヌ・ボネール、ジャクリーヌ・ビセット、ジャン=ピエール・カッセル

◆裕福な一家に家政婦として雇われたソフィー。真面目に働くソフィーだが、実は彼女には絶対に知られたくない秘密があった。ある日、ソフィーは郵便局員の奔放なジャンヌと出会い、二人は友情を育む。そんな中、一家にソフィーの秘密が発覚してしまい…。皮肉にもコンプレックスを刺激してしまう人間の善意、一度舵を切ったら止まることがない敵意、悪で結ばれた女二人のよるべない姿を冷徹にとらえた大傑作。主演のボネールとユペールは揃って第52回ヴェネチア国際映画祭の優秀女優賞に輝いた。

©Les films La Boëtie

女鹿 Les Biches 〈アンコール上映〉

1968年 / フランス・イタリア / カラー / 99分
脚本:クロード・シャブロル、ポール・ジェゴフ 撮影:ジャン・ラビエ 音楽・ピエール・ジャンセン
出演:ステファーヌ・オードラン、ジャクリーヌ・ササール、ジャン=ルイ・トランティニャン

支配者、被支配者であり、分身のようでもある、女ふたりの濃厚かつミステリアスな関係を軸に、映画そのものが愛と憎しみをむき出しにした強烈な蠱惑をはなつ、シャブロルの“絶頂期”の傑作。ある日、セーヌ川に架かるポン・デ・ザールの路面に絵を描いている娘、ホワイを見そめたブルジョワの女、フレデリック。フレデリックの屋敷に住むことになったホワイは客として訪れたポールに惹かれるが、ポールはフレデリックとも関係を持ち…。複雑で曖昧な女たちのこころに満たされた官能的な作品。本作では既にシャブロル夫人だったステファーヌ・オードランが、前夫ジャン=ルイ・トランティニャンと共演を果たしている。

©Les films La Boëtie

不貞の女 La Femme infidèle 〈アンコール上映〉

1969年 / フランス・イタリア / カラー / 98分
脚本:クロード・シャブロル 撮影:ジャン・ラビエ 音楽・ピエール・ジャンセン
出演:ステファーヌ・オードラン、ミシェル・ブーケ、モーリス・ロネ

多くの批評家によって大絶賛され、シャブロルの最高作の一本と呼び声高いだけでなく、シャブロル自身にとっても最大の自信作。保険会社の重役シャルルは妻エレーヌと息子と共に幸せな毎日を送っているが、ある日、エレーヌが作家ペガラと浮気していることを突き止めてしまう。ペガラの家を訪れ、最初は平静を装うシャルルだったが、次第に怒りに駆られ…。アニエス・ヴァルダ『幸福』、ジャック・ドゥミ『シェルブールの雨傘』、そして今回上映される全3作の撮影を手がけるジャン・ラビエの洗練された映像美、名優たちの共演、繊細極まる心理描写と、あっと驚く暴力性を切り取った屈指の傑作スリラー。

©Les films La Boëtie

肉屋 Le Boucher 〈アンコール上映〉

1970年 / フランス・イタリア / カラー / 93分
脚本:クロード・シャブロル 撮影:ジャン・ラビエ 音楽・ピエール・ジャンセン、ドミニク・ザルディ
出演:ステファーヌ・オードラン、ジャン・ヤンヌ、アントニオ・パッサリア

フランス南西部の村で小学校の教師を務めるエレーヌは、孤独を抱えた肉屋のポポールと結婚式で隣あい、急速に親しくなる。一方、村で次々と起こり始める残忍な殺人事件。ある日、生徒たちとピクニックに出かけたエレーヌは惨殺死体を発見するが、傍らに落ちていたライターはエレーヌがポポールにプレゼントしたものとそっくりだった…。のどかな片田舎での日常に出現する異様な事態──花束に似た肉、パンに滴る血──人を愛しきることができない女、そして果てしない闇を抱えた人間がしぼり出す、一瞬の限りない切実さ。奇妙な切なさに放り出されるクライマックスも秀逸な、これぞシャブロル流愛の犯罪劇。

入場料金

当日券

一般1900円、シニア1300円、会員・学生1200円、高校生以下・ハンディキャップ1000円

※ご鑑賞の7日前から窓口とオンラインでチケットのご購入が可能です。ご鑑賞当日はオンライン予約の方は専用窓口で発券、当日券の方は窓口で指定席をお選びの上、開始時間の10〜15分前からご入場いただきます。
<全席指定席>となります。満席の際はご入場出来ませんので、ご了承下さい。
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トークショーのお知らせ

9/26(土)19:30『沈黙の女』上映後

ゲスト:渋谷哲也さん(ドイツ映画研究)

スケジュール