特集上映 芦川いづみ映画祭

芦川いづみ 略歴
◆1935年東京生まれ。52年、松竹音楽舞踊学校に入り、53年に川島雄三監督『東京マダムと大阪夫人』で銀幕デビュー。55年、日活に移り、川島の代表作『洲崎パラダイス 赤信号』『幕末太陽伝』の他、その美貌と清楚なイメージで、数々の文芸映画、青春映画で活躍、スター女優の地位を確立した。50〜60年代の日本映画黄金期に100本を超える映画に出演。68年『孤島の太陽』を最後に、藤竜也と結婚し引退。以後、映画・テレビなどに一切登場していない。

上映作品

東京マダムと大阪夫人

東京マダムと大阪夫人1953年/松竹大船/白黒/96分/16mm
監督:川島雄三/原作:藤沢桓夫/脚本:富田義朗/撮影:高村倉太郎/音楽:木下忠司/美術:逆井清一郎 
出演:月丘夢路、水原真知子、三橋達也、大坂志郎、高橋貞二、坂本武、芦川いづみ、稲川忠完、毛利菊枝

♦芦川いづみの映画デビュー作。東京郊外の社宅を舞台にした極上のコメディ。奥様が、大阪の船場育ちと東京の下町育ちというお隣り同士。何かにつけて二人は張り合って…。テンポよく展開するストーリーの面白さ、都会的センスが魅力の絶品。監督の川島に見出された芦川は月丘夢路の妹を初々しく可憐に好演。

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洲崎パラダイス 赤信号

洲崎パラダイス 赤信号1956年/日活/白黒/81分/35mm
監督:川島雄三/原作:芝木好子/脚本:井手俊郎、寺田信義/撮影:高村倉太郎/美術:中村公彦/音楽:真鍋理一郎 
出演:新珠三千代、三橋達也、轟夕起子、芦川いづみ、植村謙二郎、平沼徹、松本薫、牧真介

◆東京洲崎遊郭にやってきた腐れ縁のワケあり男女のやるせない日々を見事に描ききった川島雄三の代表作。遊廓入口の飲み屋“千草”を中心に、娼婦やそこに出入りする男たちの姿を描く。女は千草で、男はそば屋で働き始めるが…。どうしようもない男と女たちの中で、そば屋店員の芦川の存在にホッと。

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誘惑

誘惑1957年/日活/白黒/94分/デジタル
監督:中平康/原作:伊藤整/脚本:大橋参吉/撮影:山崎善弘/音楽:黛敏郎/美術:松山崇 
出演:左幸子、葉山良二、芦川いづみ、千田是也、中原早苗、轟夕起子、渡辺美佐子、安井昌二

◆銀座の洋品店主・杉本(千田)は、娘(左)と共に店の二階を画廊に改造しようとするが…。新しく画廊経営に乗り出す父娘と、彼らを取り巻く個性的な面々が繰り広げる恋の鞘当てをスタイリッシュに描く中平康の傑作恋愛コメディ。物語の鍵を握る美少女役に芦川! 出番は少なくとも芦川のために作られたような快作!!

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佳人

佳人1958年/日活/白黒/106分/デジタル
監督:滝沢英輔/原作:藤井重夫/脚本:棚田吾郎/撮影:高村倉太郎/音楽:斎藤一郎/美術:松山崇 
出演:葉山良二、芦川いづみ、金子信雄、渡辺美佐子、牧真介、村瀬幸子、宇野重吉、山岡久乃 


◆多彩な役を演じる芦川は、薄幸な少女もなぜかよく似合う。山陰地方の城下町を舞台に、小児麻痺で床にふす美しい少女(芦川)。戦中戦後の混乱した時代を背景に、幼少から彼女に淡い恋心を持つ青年(葉山)とのメロドラマの秀作。城崎温泉で初の映画ロケを敢行。佳人薄命の言葉通り、はかなき芦川の生涯に感涙必至。

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陽のあたる坂道

陽のあたる坂道1958年/日活/白黒/209分(途中休憩あり)/35mm
監督:田坂具隆/原作:石坂洋次郎/脚本:田坂具隆、池田一朗/撮影:伊佐山三郎/音楽:佐藤勝/美術:木村威夫 
出演:石原裕次郎、北原三枝、芦川いづみ、川地民夫、小高雄二、轟夕起子、渡辺美佐子、山根寿子

♦空前の裕次郎ブームの中で作られた文芸超大作にして、大ヒットした青春映画の不朽の名作。裕福な屋敷の末娘の家庭教師になった女子大生(北原)は、ひねくれた次男(石原)をはじめ、家族の複雑な事情を知り…。新旧世代の思い、そして戦後民主主義の希望を背景に、青年の心の軌跡を描く。芦川は妹役を名演。

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その壁を砕け

その壁を砕け1959年/日活/白黒/100分/35mm
監督:中平康/脚本:新藤兼人/撮影:姫田真佐久/音楽:伊福部昭/美術:千葉一彦 
出演:長門裕之、芦川いづみ、渡辺美佐子、小高雄二、清水将夫、芦田伸介、西村晃、信欣三

♦美しき恋人(芦川)に会うため車で新潟に向かっていた自動車修理工の青年(小高)。途中の山村で警察に呼び止められ、強盗殺人事件の犯人だと逮捕される…。彼の無実を証明するため、芦川が村の巡査(長門)や弁護士(芦田)と共に動き始める――。愛する人を信じる芦川の眼差し! 新藤兼人脚本の傑作サスペンス。

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あじさいの歌

あじさいの歌1960年/日活/カラー/106分/35mm
監督:滝沢英輔/原作:石坂洋次郎/脚本:池田一朗/撮影:横山実/音楽:斎藤高順/美術:松山崇
出演:石原裕次郎、芦川いづみ、轟夕起子、中原早苗、北林谷栄、大坂志郎、小高雄二、殿山泰司、東野英治郎


♦石坂文学を裕次郎・芦川コンビで描く爽やかな青春映画の佳作。封建的な父親(東野)と暮らす娘(芦川)。妻が駆け落ちして出て行ったため、娘を外にも出さず厳格に育ててきた。街で東野を助けた青年デザイナー(石原)は、屋敷に来て芦川に一目で惹かれるが…。明るく開放的に変わっていく芦川が素晴らしい!

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あした晴れるか

あした晴れるか11960年/日活/カラー/91分/35mm
監督:中平康/原作:菊村到/脚本:池田一朗、中平康/撮影:岩佐一泉/音楽:黛敏郎/美術:松山崇 
出演:石原裕次郎、芦川いづみ、渡辺美佐子、中原早苗、東野英治郎、西村晃、三島雅夫、宮城千賀子

♦芦川の愛らしいコメディエンヌとしての魅力が全開の傑作コメディ。フィルム会社から「東京探険」というテーマで写真を依頼された駆け出しのカメラマン耕平(裕次郎)。その担当となったのが宣伝部員のみはる(芦川)。才女の芦川を裕次郎は苦手だったが…。東京探検で訪れる名所、そして黒縁眼鏡の芦川が見物!

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散弾銃(ショットガン)の男

散弾銃(ショットガン)の男1961年/日活/カラー/84分/35mm
監督:鈴木清順/原作:陶山智/脚本:松浦健郎、石井喜一/撮影:峰重義/音楽:池田正義/美術:佐谷晃能 出演:二谷英明、芦川いづみ、南田洋子、小高雄二、郷鍈治、浜村純、佐野浅夫、高原駿雄、野呂圭介

♦鈴木清順のウエスタン風無国籍アクションの快作。散弾銃を持った流れ者(二谷)が、町の私設保安官を任されるが…。天竜川の大森林地帯にロケを敢行、ダンプガイ二谷英明が散弾銃のガン捌きで暴れまくる痛快娯楽作。二谷が列車で芦川を助ける。彼女は負傷する前保安官の純真な妹だった。二谷の歌もいい!

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あいつと私

あいつと私1961年/日活/カラー/105分/35mm
監督:中平康/原作:石坂洋次郎/脚本:池田一朗、中平康/撮影:山崎善弘/音楽:黛敏郎/美術:松山崇 
出演:石原裕次郎、芦川いづみ、中原早苗、宮口精二、吉永小百合、笹森礼子、小沢昭一、轟夕起子

♦安保闘争で騒然とする1960年代を舞台に、裕次郎演じる経済的にも裕福な大学生と、クラスメートの芦川いづみの一夏をリリカルに描いた、石坂洋次郎原作の青春傑作ドラマ。鬼才・中平監督によるテンポの良い会話やダイアローグが冴え渡り、また芦川の妹役で吉永小百合、酒井和歌子と豪華共演陣も魅力。

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憎いあンちくしょう

憎いあンちくしょう1962年/日活/カラー/104分/35mm
監督:蔵原惟繕/脚本:山田信夫/撮影:間宮義雄、岩佐一泉/美術:千葉和彦/音楽:黛敏郎 出演:石原裕次郎、浅丘ルリ子、芦川いづみ、小池朝雄、長門裕之、川地民夫、高品格、佐野浅夫


♦愛を確かめるべく中古ジープに乗った裕次郎とルリ子が日本列島を南下、九州に辿り着くまでを描く蔵原惟繕のロード・ムービーの傑作。裕次郎は人気タレント、浅丘はそのマネージャー兼恋人。裕次郎の番組に出演した芦川の純愛の思いから無謀な旅に出ることに。全編にみなぎるロケーションの緊迫感が素晴らしい。

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青い山脈

娘・妻・母1963年/日活/カラー/100分/35mm
監督・脚本:西河克己/脚本:井手俊郎/撮影:萩原憲治/音楽:池田正義 出演:吉永小百合、浜田光夫、高橋英樹、芦川いづみ、二谷英明、南田洋子、田代みどり、北林谷栄

♦1949年の今井正版に続き井手俊郎が脚本、数々の小百合主演映画を手掛けた西河克己が日活オールスターで描く青春映画の佳作。封建的な気風が残る町を舞台に、生徒や先生、PTAまで巻きこんだラブレター騒動の顛末を描く。明朗快活な叙情性が素晴らしい。原節子が演じた島崎先生役を芦川が爽やかに演じる。

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四つの恋の物語

四つの恋の物語1965年/日活/カラー/90分/35mm
監督:西河克己/原作:源氏鶏太/脚本:三木克巳/撮影:岩佐一泉/音楽:池田正義/美術:木村威夫 
出演:吉永小百合、芦川いづみ、和泉雅子、十朱幸代、笠智衆、浜田光夫、藤竜也、横山道代、白木マリ

♦吉村公三郎が映画化した源氏鶏太原作『家庭の事情』を、日活でリメイクを次々と手掛けた名匠・西河克己が映画化。美しい四人姉妹に吉永小百合、芦川いづみ、和泉雅子、十朱幸代が扮する青春模様。定年退職を迎えた父が、四人の娘たちに退職金を分配したことから始まる騒動を明るく描く豪華絢爛の青春超大作。

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嵐を呼ぶ男

嵐を呼ぶ男1966年/日活/カラー/96分/35mm
監督:舛田利雄/原作:井上梅次/脚本:池上金男/撮影:萩原憲治/音楽:伊部晴美/美術:千葉和彦 出演:渡哲也、芦川いづみ、藤竜也、山岡久乃、梶芽衣子、由美かおる、朝丘雪路、宇野重吉、太田雅子


♦裕次郎の大ヒット作を渡でリメイク。前作で弟の恋人役だった芦川は、北原三枝が演じたマネージャー役で現代的な女性を力演。「世紀のドラム合戦」など、パンチと若さに溢れる痛快娯楽作。この2年後に芦川の夫君となる藤達也は渡の弟役。二人が共演したのは本作と『四つの恋の物語』の2本だった。

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入場料金

前売券

前売1回券1,200円/前売5回券5,000円
※前売券は、劇場窓口、チケットぴあ、セブンイレブン、サークルKサンクス(以上Pコード:466-901)他にて好評発売中!

当日券

一般1,400円/学生1,200円/シニア1,100円/会員1,000円/高校生以下800円
当日5回券6,000円/シニア5回券5,000円/会員5回券4,500円

※連日朝より当日分の整理番号つき入場券の販売を開始します。
ご入場は各回10〜15分前より整理番号順となりますので、前売券なども受付にて入場券とお引き換えください。

スケジュール

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